クルマが好きご家族や週末のお出かけ先に悩んでいるご家族に無料で楽しめるスポットを紹介します。
静岡県浜松市にある『スズキ歴史館』をご存じですか?
『スズキ歴史館』は、お子さんにとって、学びや体験を1日中楽しめる最高のスポットです。
スズキの創業から現在までの歩みをリアルな展示で学べるだけでなく、
自動車の開発過程や製造工程まで、普段見ることができない“裏側”に触れられるからです。
実際に訪れてみると、1階から3階までの展示フロアには、
創業期の織機から最新のクルマやバイクが、数えられないほど並んでいました。
特にクルマの開発の流れを企画、デザイン、設計、試作、実験、製造の各ステップに分けて分かりやすく
体験できました。
さらに、生産工程の展示では溶接ロボットや組立ラインの様子が模型と映像で詳しく紹介されており、
実際の工場での作業がイメージしやすく展示されていました。
開発の裏側を視覚的に理解できることで、モノづくりの面白さを学べる場になっていると感じました。
だからこそ、次の週末は『スズキ歴史館』へ行ってみませんか。

自動車業界22年携わってきた実績を活かして、
スズキ歴史館の見どころをご紹介します!
スズキ歴史館ってどんなところ?


✅スズキ歴史館とは
静岡県浜松市南区にあるスズキ株式会社の企業ミュージアムです。
正式名称は「スズキ歴史館」で、2009年に開館しました。
スズキの創業から現在までの歩みを3階建ての展示空間で紹介しており、自動車やバイクはもちろん、織機や船外機なども展示しています。
全館冷暖房完備で、施設内はバリアフリー対応。
家族連れや高齢の方でも安心して過ごすことができます。
入館料は無料で、事前予約が推奨されていますが、
当日枠に空きがあれば予約なしでも入館可能です。
アクセスと予約方法
- 住所:静岡県浜松市南区増楽町1301
- アクセス
- JR浜松駅から車で約15分
- JR高塚駅[出口]徒歩11分
- 篠原ICから車で約10分
- 駐車場:乗用車50台(無料)
- 開館時間:9:00〜16:30(最終入館15:30)
- 休館日:月曜日、年末年始、夏季休暇など(最新は公式サイトで確認をお願いします)
- 見学時間:平均1時間30分
- 予約方法:公式サイトまたは電話で事前予約が必要。
- 公式サイト:https://www.suzuki-rekishikan.jp/
- お問い合わせ:053-440-2020
- 予約は1日数回の時間帯に分かれ、各回定員あり



私たちはJR浜松駅から車で訪れました
入館からの流れ
当日は、予約時間に合わせてスズキ歴史館へ到着しました。
入口を入るとすぐに受付があり、スタッフの方が明るく迎えてくれました。
予約名を伝えると、丁寧に確認をしてくださり受付終了です。その際にパンフレットを受け取りました。
受付の方に館内の説明ビデオを視聴するように案内されましたのでイスに座りビデオを視聴しました。
ちなみに、当日は予約をしていなかった方も来館していましたが、空きがあったのか無事に入館されました。
もちろん予約しておいた方が確実ですが、飛び込みでもチャンスがあるのは嬉しいところです。
受付の方は親切で、「お時間に余裕があるならゆっくり見ていってくださいね」と声をかけてくれました。
お子さん連れの来館者にはエレベーターやトイレの場所を丁寧に案内しており、
ファミリー層への配慮が行き届いていると感じました。



居心地の良い空間です
1階展示:スズキの製品と社会とのつながりを感じるフロア


1階では、クルマだけでなく、バイクや船外機、電動車いすなど、幅広いモビリティ製品がずらりと
並ぶ様子は圧巻です。
当日は、新型フロンクスが堂々たる迫力で展示されていました。


ジャパン・モーターショー2023で注目を集めた未来のシニアカー「SUZUKI Go!」や
電動マルチユースモビリティ「SUZU-RIDE/SUZU-CARGO」が展示されていました。
その他にも、スポーツバイクやマリンレジャー用の船外機が展示されていました。


ショールームの一角には、スズキがこれまでに受けてきた数々の賞や表彰状、トロフィーが並んでいます。



YouTubeの銀の盾が飾ってありました
1階の展示は、スズキという企業を全体的に理解するための“入口”のような存在でした。
2階以降の「クルマづくり」の流れや、3階の「歴史展示」がぐっと立体的に楽しめるようになります。
2階展示:クルマができるまでを体験。開発工程の裏側へ
私たちは2階へと足を運びました。
ここからの展示は、より“ものづくりの核心”に迫るエリアです。


スズキの製品が、どのようなプロセスを経て完成する過程をわかりやすく展示で紹介されています。
実際の生産ラインを模擬した展示もあり、研究開発されたクルマが工場でどのように完成車になるのかを
ゆっくり見学できます。
その他にも、スズキの世界の拠点の紹介や遠州地域(静岡県西部地域7市1町)の紹介も展示されていました。
開発のスタートは企画から
まず紹介されていたのは、製品企画から始まる開発の流れです。
市場のニーズを調査し、ユーザーの声を反映させたクルマづくりを行っているという説明がありました。


展示パネルには、市場調査やユーザーの声を集めるプロセスが詳細に描かれていました。
今回は「世界戦略コンパクトカー開発会議」といった具体的な開発の会議が開催され、
新たなクルマの開発がスタートしていく流れが紹介されていました。
企画の段階では「燃費性能」や「室内空間の広さ」「運転のしやすさ」など、実際の生活に直結する部分が重視されることも強調されており、クルマづくりがいかに“ユーザー目線”を大切にしているかがよくわかります。



社是である「お客様の立場になって価値のある製品を作ろう」
がスズキ社員全員に徹底されていますね
デザイン:頭の中のイメージが、かたちになるまで
企画が固まると、次に進むのが「デザイン」の工程です。
企画会議で決まったコンセプトを具体的な形にしていきます。


デザイナーによる初期スケッチや、3Dモデリングの工程をパネルと映像で学ぶことができました。
これまでどれだけのスケッチが世に出なかったのかを想像するとデザイナーの苦労が感じられました。


印象的だったのは、描かれた何十枚ものスケッチの数々です。
展示されていたスケッチは実際に使用されたもので、車体のラインやインテリア、ヘッドライトの形状まで、
ひとつひとつにデザイナーのこだわりが詰まっているのが伝わってきます。


実物大で再現されたクレンモデルの展示されておりました。
粘土を使って仕上げ作業することで絶妙なプレスラインやフェンダーの膨らみなど細部にわたって最終調整を
していきます。
クレンモデルとは
骨組みに発泡剤を被せ、その上からインダストリアル・クレイ(工業用粘土)を盛り付けます。
機械で荒削りはしますが、最終的には人間が削っていきます。



最後は人の目で見て修正されていくんですね
設計・試作
デザインが決まると、次は「設計」→「試作」→「実験・検証」といった技術の世界へと入っていきます。
多くのお客さんに届くような形で各部品に分けて設計していきます。部品の仕様を決め、試作品を作ります。


展示ブースのひとつには、部品を作る上で欠かせない図面が展示されていました。
クルマを見る機会はありますが、部品1個1個の図面を見ることはできないので大変貴重な経験でした。
部品の仕様など普段はなかなか知ることのできない“裏側”を知れました。
実験・検証フェーズ
試作部品ができたところで続いては実験・検証になります。
ここでは、安全性、耐久性、快適性など、さまざまな基準を満たすための取り組みが紹介されています。


展示ブースのひとつには、衝突安全試験に使われたダミー人形(クラッシュテストダミー)が座る試験車両の再現展示がありました。
実際に衝突実験で使用された車両の一部も並べられており、前方が激しく損傷した様子から、安全への本気度がひしひしと伝わってきました。



数え切れないほどのたくさんの検証があるからこそ、
安全にクルマの運転ができているですね
製造工程:クルマが形になる瞬間を間近に体験
開発が終了すると最後はお客さんに届けるために欠かせない生産「製造ラインの再現コーナー」です。
ここには、スズキの実際の工場で行われている製造工程をミニチュアスケールで再現した模型が
展示されており、プレス→溶接→塗装→組立という一連の流れを、わかりやすい解説とともに見学できます。


✅心温まるミニカー
樹脂成形コーナーでスイッチを押して「樹脂製品ができるまで」の
映像を見ると、なんと下から小さなミニカーができました。
お子さんには嬉しいプレゼントですね。
スズキの優しさを感じました。
当日は赤いアルトが出てきました。
もしかしたら、行くタイミングによっては違うミニカーが
出てくるかもしれませんね。



お子さんに喜ばれること間違いなし


組立工程では、エンジン、シート、ガラス、電装部品などが順番に取り付けられていく様子を
ジオラマと映像で同時に確認でき、子どもから大人まで大満足の展示内容となっています。


特に印象に残ったのは、車体にエンジンを搭載する時です。
二人がかりでエンジンの位置を調整し、車体にエンジンを搭載します。
位置がズレるとエンジンの損傷につながるので、実際の工場での緊張感が伝わってきました。
貴重な展示物:普段見れないクルマの部品
当日は、ジムニーのカットモデルやジャパン・モーターショーで発表されてEVコンセプトなども普段見れない
クルマたちも展示されていました。


✅ジムニーシエラのカットモデル
2018年7月に発表され、約7年も経過しているにも
かかわらず、今もまだ大人気のジムニーシエラの
カットモデルも展示されていました。
車体の断面が見えるように加工されており、普段は目にすることのない骨格構造や、エンジン・駆動系の配置が一目で分かるようになっています。
特にラダーフレーム構造や4WDシステムの仕組みが
よくわかるため、ジムニー好きにはたまらない
展示でした。アウトドアやオフロードでの高い
走破性の理由を、視覚的に学べる貴重な機会でした。



欲しい1台ですね


✅eVX(未発売車)
2023年のジャパンモビリティショーで世界初公開されたEV戦略車第一弾「eVX」のモデルも展示されていました。
eVXは、スズキが本格的にグローバル市場に向けて送り出す予定の電気自動車で、「スズキらしい走り」と「最新の電動化技術」を融合させた次世代SUVです。
未来を感じさせる先進的なフォルムと、マットカラーに覆われた車体は異才を放つ存在で、多くの来館者の注目を集めていました。
展示の近くには、開発コンセプトやグローバル戦略に関する説明パネルも設置されており、EVに関心のある人には特に見応えのある展示でした。
遠州(静岡県西部地域7市1町)の紹介と航空自衛隊浜松基地
2階最後の展示エリアに遠州地域(静岡県西部地域7市1町)の紹介と航空自衛隊浜松基地の紹介されていました。
遠州の歴史や偉人のパネルがありました。
その中でも、空から見た遠州地域が床いっぱいに航空写真が敷き詰められていました。
当日、地元の方だと思いますが、「ここ○○小学校だよね」と声が聞こえてきて、ほのぼのとした時間が
流れていました。


遠州地域展示エリアの奥には航空自衛隊 浜松基地の紹介がされていました。
自衛隊の制服やパイロットが着るフライトスーツなどが間近で見ることができカッコよかったです。


ここでも、お子さんを喜ばせるフライトシミュレーターが設置されており、飛行機の操縦も体験出来ます。
クルマ、バイク、飛行機とお子さんが好きなモノが揃っているスズキ博物館の凄さに驚かされました。
3階:歴史ある多彩な製品
私たちが最後に足を運んだのは3階の展示エリアでした。


スズキの原点を象徴する大きな織機が堂々と設置されており、その織機で織られた布が、まるで一本の物語の
ように天井をつたって1階まで続いていました。
その演出が実は1階から始まっていたと気づいた瞬間、まるでスズキが歩んできた長い歴史の時間を、布という形で空間に表現していて驚きと感動をしました。
大人気スズキ歴代ジムニー展示


スズキの誇るクルマやバイクなど、実際に販売されている製品を中心とした展示フロアです。
代表的な軽自動車やバイクがズラリと並び、各モデルの特徴や歴史的背景が紹介されています。
特に人気があるのは、スズキの代名詞ともいえる「アルト」や「ジムニー」などの車両展示です。
思わずテンションが上がり写真をいっぱい撮りました。
写真の一番右側に写っているのが、1970年 軽自動車初の本格的な四駆駆動車の初期型ジムニーです。
1970年 日本万国博覧会(大阪万博)で使用された電気自動車を復元


1970年の日本万国博覧会(大阪万博)で使用された電気自動車を復元した車両が展示されていました。
説明パネルにスズキは1968年から電気自動車の開発を着手しており、「キャリイバン」をベースに
湯浅電池(現GS Yuasa Corporation)と共同で開発を行なっていたと記載されていました。
展示スペースの床が鏡になっており、クルマの床に搭載された昔のバッテリーを見ることが出来ました。
スズキが57年前から電気自動車の開発を行っていたことを初めて知りました。
現在2025年の日本万国博覧会(大阪万博)では空飛ぶクルマなどが展示されており、時代の流れを感じますね。
電気自動車も一般消費者が使うようになってきましたので、空飛ぶクルマも2075年ぐらいには運転しているかも知れませんね。
軽自動車の歴史を塗り替えたワゴンR


スズキを代表する名車「ワゴンR」の実車展示もありました。1993年の登場以来、「軽ワゴン」という
新たなカテゴリーを築いたワゴンRは当時の「軽は狭い」というイメージを大きく覆した存在です。
今では当たり前になった軽自動車に自転車を積むようになったのも、
高い天井と広い室内空間を実現したワゴンRが支持され、爆発的に売れた結果だと思います。
まだまだ紹介しきれていない展示物が山ほどあります。ぜひ行って確認してみてくださいね。
1階:お土産と施設のこだわり


1階には小さなショップコーナーがあり、スズキ車のミニカーや文具、Tシャツなどが販売されています。
スズキファンには嬉しい品々が揃っていました。
一緒に行った方で友達の小さいお子さんのために自動車バスボールを買われていました。
その後、友達に会われた際にお土産を渡したそうで「凄く喜んでくれたよ」と言っていました。
トイレやベビールームなどもきちんと整備されており、子ども連れでも安心して過ごせる配慮がされています。展示の案内板は多言語対応(日本語・英語)で、海外の方も楽しめる内容でした。
まとめ:乗り物好きだけではなく誰でも一度は訪れたい無料スポット!


スズキ歴史館は、「無料」とは思えないほど内容が充実しており、クルマ好きはもちろん、
普段あまりクルマに興味がないという方でもきっと楽しめる施設です。
子どもから大人まで幅広く学べる工夫が随所に散りばめられており、週末や旅行のついでに立ち寄る価値は十分以上にあります。
見て、学んで、触れて楽しめる体験ができるため、ご家族でのおでかけにぴったりです。
予約は公式サイトから簡単にでき、浜松方面へ行かれる予定のある方はぜひチェックしてみてくださいね。
クルマの歴史、技術、未来をまるごと体感できる『スズキ歴史館』。
一度訪れれば、きっとその魅力に引き込まれるはずです。
スズキのクルマ購入を考えている方は、参考にしていただければ幸いです。
📌 施設情報(再掲)
- 住所:静岡県浜松市南区増楽町1301
- アクセス
- JR浜松駅から車で約15分
- JR高塚駅[出口]徒歩11分
- 駐車場:乗用車50台(無料)
- 開館時間:9:00〜16:30(最終入館15:30)
- 休館日:月曜日、年末年始、夏季休暇など(最新は公式サイトで確認をお願いします)
- 見学時間:平均1時間30分
- 予約方法:公式サイトまたは電話で事前予約が必要。
- 公式サイト:https://www.suzuki-rekishikan.jp/
- お問い合わせ:053-440-2020
- 予約は1日数回の時間帯に分かれ、各回定員あり。
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